Harry

ITコーディネータ 針生徹


Mar 29
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クラウドよりBABOKが重要である - 記者のつぶやき:ITpro

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□◆【続・クラウドよりBABOKが重要である】
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 3月29日のITproの記者のつぶやきに「クラウドよりBABOKが重要である」という
記事を執筆した。文字通り、企業情報システムを「作る」という意味では、クラウド
コンピューティングよりも、BABOKが重要だという記事である。
( http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20100326/346262/

 この記事でも引用したが、BABOKの定義は「業務改革や情報システム構築・刷新
プロジェクトの構想・計画段階で主に実施する要求分析のための知識体系」になる。
BABOKに関する日経コンピュータのセミナーの企画に携わっていることがきっかけに
なった記事だが、十数年にわたって企業情報システムの世界を取材してきた私に
とって、企業情報システムをいかに作るかは記者として最大のテーマである。

 システム開発はとにかくうまくいかない。6、7年ほど前になるだろうか。
あるとき、日本中で極めて深刻な状態にあるシステム開発プロジェクトが当時、
何件くらいあるのかを考えたことがある。

 ある大手メーカーの開発子会社の人とこのテーマで話したのだが、この会社が
抱えている問題プロジェクトは100件程度。大手メーカーが開発している案件の
4分の1程度をこの子会社は担当していた。

 大手メーカーが日本の開発案件の2割程度を受注していると仮定すると、
日本全国で問題プロジェクトは100×4×5=2000件も存在することになる。
問題プロジェクトに一つひとつに多くの関係者が存在する。

 多くの場合、プロジェクトがうまくいかない原因は、ソフトやハード以外の部分に
ある。作るべきものを正確に決めきれないのが理由なのだ。

 あいまいなままに開発は進んでいく。だから設計やプログラム開発、果ては
テストの段階で、「こんなはずではなかった」という話が出てきて、作業を繰り
返す。あるいは不完全なまま作業を進めて、品質に大きな欠陥を抱えたシステムを
稼働させることになる。

 こういった原因でシステム開発がうまくいかないということは多くの人が理解して
いる。プロジェクトマネジメント(PM)や要求工学に関心が集まっているのは、
システム開発の上流工程があいまいなままで進んでしまう現状を何とかしたいという
思いの現れだ。

 要求分析のための知識体系であるBABOKは、PMのための知識体系であるPMBOKや
要求工学と同様、上流工程からあいまいさを取り除くうえで有効なものだ。企業情報
システムにかかわる人々が、BABOKについて語る機会が増えれば問題プロジェクトは
必ず減る。

 だが現実には、ITに関する最近の最大の話題は「クラウドコンピューティング」
である。筆者の理解では、企業情報システムにとってクラウドが与える影響は主に
インフラ部分に限定される。失敗プロジェクトを減らすという面での効果は少ない。

 クラウドとBABOKを比較すると、後者について語る人は圧倒的に少ない。クラウド
と同じようにBABOKについて学び、語る人が増えることを強く望む。それが問題プロ
ジェクトで悩む人間の数を減らすために有効だと考えるからだ。

                       (中村建助=日経コンピュータ)